睡眠

睡 眠 2

睡眠は健康のバロメーター

質の良い睡眠は、健康維持の重要な条件ですが、現代人は睡眠に悩む人が驚くほど増加しています。I睡眠
睡眠中は心と体の疲れをとり、身体的歪み(骨格等)を修正し、翌日のエネルギーを蓄え、脳活動に必要な様々な物質(脳内伝達物質)を生成し、翌日の活動に備えるのです。睡眠の役割は、心身のリセットと活動の準備を整えることです。その修復と準備が不十分な場合は翌日に心身疲労が残り、身体トラブルを起こすことにつながります。
良質な睡眠がとれていないと起床時の気分が悪くなります。頭が重い、目が重く違和感がある、首、肩、腰がこって痛い、体全体がだるい、胃が気持ち悪い、気分が重い、やる気がわかない等々不快感が一杯でムリに起きて一日の支度をする毎日の人が多いようです。これは生活習慣病の手前(未病)か、すでに病的状態におちいっているのでしょう。
心身が調和して健康であれば、自然に質の良い睡眠が促され、朝の目覚めが爽やかになります。ただし睡眠に意識を向けるだけではなく、全体観に立って生活全体を見直すことが必要です。

質の良い睡眠

睡眠の質が良くないと、ストレスが蓄積して精神状態が不安定になりやすく、うつ状態が起こりやすくなります。身体面は、ホルモンの分泌が不充分なため自律神経が不安定になり、様々な不調が発生することになります。特に熟睡時に下垂体から分泌される成長ホルモンは、不足すると全身の生命活動がダウンして体力や免疫力の低下につながります。とくに自律神経系・内分泌系(ホルモン)の異常が出やすくなります。けがや慢性炎症などは、治りにくくなり、老化が早く進むようになります。
睡眠は、時間ではなく質が重要です。質が良い睡眠であれば、短時間で足ります。質の悪い睡眠では、長く寝ても睡眠の役割を果たせません。ぐっすり良い睡眠がとれた時は、短時間で頭も身体も気分も爽快です。目覚めた直後に起き上がって動きたくなります。動いても疲れません。質の悪い睡眠では、長時間寝ても目覚めの気分が悪く、疲労感が残っていて動こうという意欲がわきません。寝覚めの不快感がいつまでも続くようであれば、なにか慢性疾患が隠れていることを疑うべきでしょう。
質の良い睡眠をとるためには、第一に自律神経系と内分泌系(ホルモン)が安定していることが重要です。そのためには、良質な血液がスムーズに循環していることが必要です。良質な血液を造るには、食生活を正すことが最も大切です。
第二は、心の安定です。第三は、寝室環境と寝具の質です。その他、脊柱のゆがみ、ストレスなども原因となります。

不眠

睡眠障害のタイプは様々で、四六時中眠くて暇さえあれば眠っている、夜になっても眠れない、眠りが浅く夜中に何度も起きてしまうなどです。とくに眠くても眠ることができないのは、想像以上につらいものです。いつまでも不眠が続くと、疲労、頭痛、記憶力の低下、免疫力の低下、精神不安定、肌荒れなどの様々な障害が起こってきます。
健康な体は夕方から夜にかけて、自律神経が活動型の交感神経から休息型の副交感神経に切り変わります。健康な人は、夜8時ごろに心身が休息状態に入り始め睡眠の態勢が整ってきます。一方、不眠症の人は夜になっても交感神経が働いていて昼間と同じ活動状態のままです。交感神経が活動していると、全身の細胞が盛んに活動して代謝産物(老廃物)を産み出し血液中へ排出します。血液中の老廃物が増えると、疲労や筋肉のコリ・炎症が起こります。老廃物が頭部の血管内にたまると、痛覚神経を刺激して頭重・頭痛が起こります。脳内にたまると、自律神経や体のトラブルが起こります。脳内蓄積が多くなると、認知症を引き起こすことにもつながります。近年は、若年性認知症が増加しているので、注意が必要です。40歳代で認知症が発症する人もいます。
眠れないことがストレスになって、アドレナリン、ノルアドレナリンなどのストレスホルモンが多量に分泌され、これが脳の記憶中枢の中へ侵入してシナプスの働きを阻害し、記憶力の低下を招きます。また、ストレスホルモンは、免疫細胞(リンパ球、NK細胞)の生成を阻害して、免疫力低下をきたします。また成長ホルモンが充分に生成されないため、炎症などの修復は遅れ、タンパク質の生成が不充分で、老化現象が加速されます。さらに細胞の新生がスムーズに行われないため、肌が衰えたり、老化がさらに進んでいきます。このように、不眠はさまざまな障害につながっていきます。
不眠は、自律神経とホルモンのアンバランスによって起こりますが、その原因にはさまざまなものがあります。食事の誤りによる血液汚染、血液循環不良、心臓、肺、肝臓、腎臓、腸などの障害、また、鼻、耳、口腔、気管支、血圧異常、身体の冷えなど。また、ストレスが処理できずにうっ積している場合。つまり心身から強い刺激が脳に送り込まれる要素は、すべて不眠の原因になるのです。

睡眠の質を良くする食事

食事の質が向上して血液が浄化されると、それにともなって循環も円滑になります。良質な血液が、脳細胞にくまなく供給され機能が上がります。その結果自律神経と内分泌器官の機能が向上し、睡眠に関わるホルモン(セロトニン、メラトニンなど)が滞りなく分泌されて、睡眠を促します。
睡眠を安定化するには、食養の基本を調えた上で以下の食材を積極的に摂ると効果的です。

◎ 血液循環を促進する食物
葛、たんぽぽ根、豆味噌(赤)、醤油、ニンニク(醤油漬)、黒ゴマ、松の実、ヒマワリの種、ネギ、タマネギ、ニラ、ワケギ、ラッキョウ
◎ 血液浄化
フノリ、玄麦ハトムギ、ヨモギ、葛葉、ダイコン葉、ニラ、マッシュルーム、ゴボウ、ニンジン葉、松の実、クコの実、アラメ、パセリ、ネギ、ラッキョウ、タマネギ、ゴマ、ブロッコリー、ブロッコリースプラウト、コマツナ、レタス、キャベツ、
◎ 睡眠を促す食物
ナツメ、麻の実、発芽玄米、ユリ根、金針菜、合歓花、ゴマ、レンコン、シソ、ホウレンソウ、シュンギク、レタス、ニラ、ネギ、タマネギ、ワケギ、アサツキ、ラッキョウ、タケノコ、チコリー、蓮の実、海藻、みそ
◎ 脳細胞に不可欠な栄養素
◇ミネラルを多く含む食物
海藻(こんぶ、、わかめ、ひじき、ふのり、のり、あおさ、あおのり、もずく、
あらめ等)、
きくらげ、ごま、きくいも
山芋(自然薯、大和イモ、つくねいも、いちょういも)
◇ビタミンB12を多く含む食物
あさり、かき、しじみ、酵母(パン酵母など)、ニンジン、のり、
良く熟成した味噌、しょう油

 

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