皮膚細胞と体細胞は同じもの
化粧品は、肌をきれいにしたり、きれいに見せる目的で使われるものですが、逆効果になっていることが少なくありません。なぜなら化粧品に使用されている成分は、皮膚に付けて安全でも口に入れてはいけないというものが大半であるためです。皮膚細胞と体細胞は基本的に同じ特質ですから、食べて安全なものが皮膚に付けても本当に安全なものです。化粧品の成分は、体内に入っても安全な物質でなければなりません。
化粧品の主な成分
化粧品には、基礎化粧品とメーキャップ化粧品があります。
基礎化粧品
- ベース
◉ 水……化粧水のほとんどは水
◉ 油……クリームや乳液などのベースはオイル
◉ 界面活性剤(乳化剤)……水と油を混ぜるもの - 機能を与える成分
◉ 保湿成分……ヒアルロン酸、セラミド、グリセリンなど
◉ 美白成分……ビタミンC、トラネキサム酸、コウジ酸など
◉ エイジングケア成分……レチノール、ビタミンE、ナイアシンアミドなど
◉ 整肌成分……アラントイン、甘草エキス、ハチミツなど - その他成分
◉香料……化粧品の香りを整える
◉ 防腐剤……化粧品の保存期間を長くする
◉ 着色剤……化粧品の色味を整える
◉ 紫外線吸収剤……日焼け止め効果を与える
メーキャップ化粧品
- ベース成分
◉ 油脂類……ミネラルオイル、ワックス、植物油など肌に潤いやツヤを与える
◉ 乳化剤(界面活性剤)……油と水を混ぜ合わせ化粧品の安定性を高める
◉ 保湿剤……グリセリン、ヒアルロン酸、セラミドなど肌に潤いを与え乾燥を防ぐ
◉ 防腐剤……パラベン、フェノキシエタノールなど - 色素
◉ 顔料……タルク、酸化チタン、マイカなど
◉ 染料……タール系染料、キノリン系染料など - その他◉ 紫外線吸収剤……メラニンの生成を抑え日焼けを防ぐ
◉ ビタミン……ビタミンC、ビタミンEなど
◉ 植物エキス……カモミール、アロエベラなど
これらの成分は、多くが人工物であり皮膚細胞にとっては異物で食べ物ではありません。異物は、皮膚にとっては負荷になり皮膚細胞の生命活動を妨げるものです。
ピーリング
ピーリングは、肌の表面にある古い角質を取り除き肌をなめらかにする美容法ですが、いずれも肌を傷め老化を早めることになります。
クリームやジェル状のベースにスクラブ(研磨剤)を混ぜたもので、皮膚表面の角質をはがし取るものです。
角質層は皮膚表面に10~20層が重なり合って内部の皮膚組織を守っています。その大切な保護組織を薄くして一時はきれいに見えても、やがて皮膚細胞が衰えていくのは必然です。
ピーリングには薬剤を使って角質を柔らかくするやり方や物理的に角質を除去する方法などがありますが、いずれも危険です。
肌をきれいにするには体内から皮膚細胞を健康にすることがベストだと、今日ではだれもが知っています。
日焼け止めクリーム
日光は、ビタミンDをつくり出す大事なものです。ビタミンDは、カルシウムの吸収・利用率を高めるだけではなく、免疫、自律神経、睡眠など様々な働きがあることが近年明らかになりました。
適度な日光は健康にとって必要ですが、過度に紫外線に当たりすぎると皮膚細胞を傷め、活性酸素を発生させ、身体ストレスになります。そのため外出時は、皮膚にUVクリームを塗ることが当たり前になっています。しかしUVクリームの素材は、皮膚にダメージを与えるものが多く使われているので、安全なものを選ぶことが必要です。
【一例】ある有名メーカーのUVクリームの全成分です。
水、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、エタノール、BG、パルミチン酸イソプロピル、酸化チタン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、ジメチコン、(メタクリル酸ラウリル/メタクリル酸Na)クロスポリマー、水添ポリイソブテン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、シリカ、含水シリカ、マイカ、パルミチン酸デキストリン、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、トリエトキシカプリリルシラン、セタノール、ステアリン酸グリセリル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリソルベート60、ポリシリコーン-9、水酸化Al、水酸化K、ローヤルゼリーエキス、ヒアルロン酸Na、酸化スズ、フェノキシエタノール、メチルパラベン、EDTA-2Na、BHT、香料
次に、化粧品に使われる成分で毒性が疑われるものを示します。
照らし合わせてみると良いでしょう。
【毒性が疑われる成分】
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、安息香酸(塩)、イクタモール、エデト酸(塩)、エタノール、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、オキシベンゾン、感光素、カンタリスチンキ、クレゾール、クロロブタノール、コロイドイオウ、サリチル酸、酸ジイソプロパノールアミン、シノキサート、ステアリン酸、チオグリコール酸カルシウム、チモール、チラム、トラガント、トリイソプロパノールアミン(プロピルアルコール)、乳酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸(メチル、ブチル)、パラベン、プロピレングリコール、ヘサキクロロフェン、ラウリル硫酸、ラノリン類、レゾルシン、ロジン、アミノフェノール、オルトフェニルフェノール(OPP)、クロルキシレノール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ソルビン酸、タール色素(例:赤色2号)、トリエタノールアミン、パラアミノアクトクレゾール、パラクロロフェノール、パラフィン、フェノール、フェニレンジアミン、ブチルヒドロキシアニソール、ポリエチレングリコール、硫酸トルエン-2.5-ジアミン、硫酸パラメチルアミノフェノールホルモン類(エストロゲン、卵胞ホルモン、エストラジオール)
【表示指定成分】
皮膚障害の怖れがあるため表示指定成分として定められているものがあり、それぞれ多種類ありますが特に殺菌防腐剤と界面活性剤は危険性が大きいので、成分例を示します。
他に酸化防止剤、紫外線吸収剤、アルカリ剤、抗ヒスタミン剤・消炎剤、油分、毛根刺激剤
- 界面活性剤
セチル硫酸ナトリウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラノリン、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ドミフェン、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、ラウリル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩類、酢酸ポリオキシエチレンラノリンアルコール - 殺菌防腐剤
ウンデシレン酸およびその塩類、塩化セチルピリジニウム、オルトフェニルフェノール、クロラミンT、クロルフェネシン、サリチル酸およびその塩類、デヒドロ酢酸およびその塩類、パラキオシ安息香酸エステル、フェノール、N,N”-メチレンビス、ウンデシレン酸モノエタノールアミド、塩化ベンザルコニウム、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、グルコン酸クロルヘキシジン、クロルキシレノール、クロロブタノール、1,3-ジメチロール-5,5-ジメチルヒダイトイン、チモール、トリクロサン、パラクロルフェノール、ヘキサクロロフェン、ラウロイルサルコシンナトリウム、安息香酸およびその塩類、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、クレゾール、クロルクレゾール、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、臭化アルキルイソキノリウム、チラム、トリクロロカルバニリド、ハロカルバン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、レゾルシン、ソルビン酸およびその誘導体