美容

きれいな肌のケア

健康な肌は、なめらかでみずみずしく弾力があり、透明感があって、きれいなピンク色です。 特に顔の肌は、女性だけに限らず最近では男性でも汚い肌は敬遠されるようになってきました。ところが近年、赤ちゃんから大人まで肌の汚さが目立つ人が多くなって来ました。肌のためにあらゆる努力をしても思うようにきれいにならない人が多いようです。肌がカサカサに荒れたり、シミ、そばかす、くすみ、吹き出物、湿疹などが目立ちます。こういう人は、年とともにしわやシミも早く現れてきます。

様々な皮膚トラブルは、生活習慣によるものと病的なものとがあります。皮膚の疾患がある場合は、適切な対処が必要です。生活習慣の中に原因がある場合は、生活を改めることで解消されます。

身体全体を包む皮膚組織は、成人では、約1.6㎡の面積と、体重の約16%重さがあり、人体最大の器官です。外部環境から身体内部を保護し、体温調節、呼吸、吸収、分泌、排泄、など多くの機能を持つ重要な器官です。皮膚の組織は、内臓と同様すべて細胞で構成され、表皮、真皮、皮下組織の三層からなります。外界に面して最前線で内部組織を守っている表皮は、0.2mmほどの厚さで5層構造になっています。表皮は、主に角層と、角質を造る角化細胞です。表皮の最も下層(基底層)で常に新しい細胞が造られ、順に表面に押し上げられていきます。表面に移行してきた細胞は、やがて活動を停止して角層になり、皮膚組織を守る役割を担うことになります。角層は、外側から順に一枚ずつ剥がれ落ち、新しいものと交代していきます。基底層で細胞ができて、剥離するまでおよそ30~50日かかります。このサイクルが滞りなく順調に進んでいると、肌はいつも新鮮さを保つことができます。

基底層には、メラノサイトという色素細胞があり、紫外線から皮膚細胞を守るためメラニン色素を生成しています。メラノサイトは、紫外線、化学物質(化粧品、洗剤etc)、活性酸素、過酸化脂質、血中毒素、などの過度の刺激を受けると、メラニン色素を過剰に産生してしまいます。その上、血液やリンパの循環が悪いと、代謝が衰えてメラニン色素が表皮の底へ蓄積してしまうことになります。これが、シミ・ソバカスです。

皮膚組織の細胞は、コラーゲンという弾力性のある糸状のたんぱく質で互いに結びついています。コラーゲンの隙間を、栄養成分を多量に含んだ体液が流れています。コラーゲンが硬く萎縮してくると、体液の流れが悪くなり、皮膚組織全体が萎縮して弾力をなくなり、肌のみずみずしさを失い、しわが目立つようになります。

にきび・吹き出物は、血液中の過剰な脂質やたんぱく質の代謝産物などが、老廃物と共に皮脂腺に溜まって化膿したものです。

肌荒れは、角質細胞層がしっかり整っていないために、肌がもろくなり、乾燥してかさかさになって、みずみずしい弾力を失っている状態です。

表皮の基底層で生まれた角化細胞は、約2週間で角層になっていきます。このとき、老廃物・活性酸素・アレルギー物質などが基底層のケラチノサイト(角質細胞を造る細胞)を刺激すると、異常増殖をしてもろく質の悪い細胞を形成するようになります。そのため、もろい角層が出来上がることになります。本来、角層は強靭なタンパク繊維が何重にも層をなしてできているものです。顔の皮膚は10層、まぶたは7~8、身体の大部分は14~15、足裏は50~70層が重なっています。それぞれの角質細胞の間には、脂質の層(細胞間脂質)で充たされて、バリア機能を果たしています。このような角質層の構造は、弾力と強靭性と保水性を備えています。角質層がもろくなり、さらに細胞間脂質が不足してくると、水分が体外へ蒸発して硬くはがれやすくなります。角質層が表面まで移行して剥離するまで約2週間かかりますが、このサイクルが早くなって角質層が薄くなることもあります。こうして、皮膚のバリア機能が失われていきます。

皮膚組織の細胞の基本構造や基本機能は、体内細胞と同じです。代謝が盛んに行われていれば、細胞は常に新鮮でいきいきしています。赤ちゃんの肌がきれいなのは、代謝が活発なためです。代謝のカギは、血液の質です。皮膚組織に良質血液が充たされていれば、代謝が活発になり、肌はイキイキとして美しさを保つことができます。

血液の質を改善するには、食事を改善する外に方法はありません。『食』イコール血液です。外からどれだけ優れた化粧品をつけても、表面的に多少の変化があるだけで、皮膚細胞の質は良くなりません。化学物質の化粧品を塗れば、皮膚細胞はもろく硬くなり、老化を早めてしまいます。

洗顔にも注意しないと、肌をいためることになります。肌の汚れを落とすには、天然の石鹸か、発酵エキスの洗顔クリームが適しています。石鹸を手の平でよく泡立てて、この泡をそっと肌に塗り伸ばします。そのまま1~2分置いてから、ぬるま湯でよく洗い落とします。こうすることで、汚れをもっともきれいに落とすことができます。けっして肌を強くこすってはいけません。洗顔後は、洗い落とした油分と、酸性成分を補っておきます。人体の皮脂成分に最も近い親和性の高い油脂は椿油です。酸性成分は、木酢、竹酢、ヒバの樹液、食酢などを100倍に薄めたものが適しています。洗顔に水道水をそのまま使うと肌をいためます。浄水器を通した水を使うのがベストです。

粗い粒子が入った洗顔クリームやピーリングなどで、皮膚表面の角層を削り取って物理的に滑らかにする方法がありますが、これは大変危険なことです。いつまでも続けると、肌は薄く弱くなり、荒れて変色し悲惨な状態になります。

また、紫外線を過度に浴びないよう注意が必要です。といえども、必要以上に紫外線を恐れて日光に当たらずにいると、体力・免疫力が衰え、自律神経が不安定になり、肌の老化が進みます。日光を適度に浴びることは、健康にとって必要不可欠なことです。どんなことでも、過剰も不足もなく、適度なバランスが重要です。

 

皮膚細胞の代謝(表皮のターンオーバー)

皮膚の細胞が日々新しい細胞と入れ代わることをターンオーバー(皮膚の代謝)といい、サイクルが早いほど皮膚が若々しくきれいに保たれます。高齢になるほどサイクルは遅くなりますが、体内条件(心身健康レベル)が高い人は高齢でもターンオーバーが早くなります。

 

以下は、ターンオーバーの年代別平均値です。

年代 サイクル(約)
10代 20日
20代 28日
30代 40日
40代 55日
50代 75日
60代 100日