美容

危ない美容法

美容医療

近年、美容に対する意識の多様化により、美容医療のニーズが高まってきました。それに伴い美容医療の技術は大きく進歩しましたが、課題も多くあります。

美容医療の傾向

非外科的手術の増加……メスを使わないボトックス注射、ヒアルロン酸注入、レーザー治療など
多様化する施術……顔だけでなく、体全体の美容脂肪吸引、二重まぶた手術、脱毛など
男性の美容意識の高まり……男性も美容医療が一般的になる、脱毛(AGA)治療など
美容医療クリニックの増加……クリニック間の競争が激化
SNSの影響……SNSでの情報により美容医療に関する情報が身近になり、環境が整ってきた。反面、情報が膨大化し適正な判断が困難な時代

美容医療の課題

安全性……施術の安全性確保が大きな課題、医師の経験や技術の格差
効果の個人差……同じ施術を受けても効果には個人差がある
医療費……美容医療は自由診療のため高額な費用がかかる
医療事故……美容医療に関する医療事故が多発しており注意が必要

シミ取り

外用薬・・・・・ ハイドロキノンなど、美白成分を含んだ薬を塗ってシミを薄くする方法、副作用のリスクがある
内服薬・・・・・・トラネキサム酸など、メラニンの生成を抑える内服薬を用いる方法、副作用リスクがある
レーザー治療・・・・・・レーザー光でシミを直接破壊する方法、痛みやダウンタイムを伴う
ケミカルピーリング・・・・・・ 薬剤で古い角質を剥がし新しい肌に再生する方法、赤みや皮膚炎などのダウンタイムを伴う、副作用のリスクがある
イオン導入・・・・・・美白成分をイオンの力で肌の奥深くまで浸透させる方法、副作用リスクがある

シミの種類と治療法

そばかす……比較的浅いシミ、レーザー治療…副作用少ない
肝斑……ホルモンバランスや紫外線、肝機能低下などが原因でできるシミ、内服薬やハイドロキノン外用薬など使用…副作用リスク
老人性色素斑……加齢によるシミ、レーザー治療、ピーリング…副作用リスク

シワ取り

シワ取りは、いずれの方法もリスクを伴います。

◇注入療法

  • ヒアルロン酸注入……シワの溝にヒアルロン酸を注入
  • ボトックス注射……表情筋を緩める、眉間や額のシワなど
  • 脂肪注入……自分の脂肪をシワの部分に注入する方法

◇レーザー治療

  • フラクショナルレーザー……皮膚に微細な穴を開けコラーゲンの生成を促す
  • 炭酸ガスレーザー……表皮を蒸散させ新しい皮膚の再生を促す…副作用大

◇糸リフトスレッドリフト)
特殊な糸を皮膚の下に挿入し、その刺激により皮膚のハリを造る方法

◇その他の治療

  • 高周波治療……高周波エネルギーで肌の深層部に熱を与えコラーゲンの生成を促す
  • ケミカルピーリング・・・・・・薬剤で古い角質をはがし肌のターンオーバーを促進、いずれも副作用大

シリコン注入

シリコン製の液状または固形物を、身体の特定部位に注入して形状を変化させる方法です。
バストアップ、鼻の形状変更、輪郭形成などの目的で行われます。

特徴

  • 持続性……一度注入すると効果が長期間持続する傾向
  • リスク……感染、アレルギー反応、シリコンの移動、変形などのリスク
  • 手術……手術が必要となり、ダウンタイムも長い

シリコンは生体異物のため長期的なリスクの怖れがあります。

ヒアルロン酸注入

人体内に存在する成分のヒアルロン酸を、皮膚の浅層や深層に注入する施術
しわの改善、ボリュームアップ、輪郭形成など

  • 安全性……ヒアルロン酸は生体適合性が高く、アレルギー反応が起こりにくい
  • 一時的……徐々に体内に吸収されるため効果は数ヶ月から1年程度
  • 手軽……手術は不要で、ダウンタイムも短い

高周波美容機器

高周波美容機器は、電磁波を肌の深部にまで届かせ水分子の振動を引き起こします。この振動によって摩擦熱が生じ、肌が温まることで様々な美容効果を期待するものです。
血行促進コラーゲン生成の促進、リフトアップ、脂肪燃焼などの効果を期待して行われるものですが、脳、神経系、遺伝子に悪影響の怖れがあります。

脱毛

レーザー脱毛
医療レーザー脱毛は、医療機関で行われる脱毛方法で、強いレーザー光を毛根に照射し、毛を生やす細胞を破壊することで、永久脱毛を目指します。
レーザー光は、毛のメラニン色素に選択的に反応します。吸収された光は熱エネルギーに変わり、毛根を破壊します。
毛には成長期、退行期、休止期というサイクルがあり、成長期の毛にのみ効果があります。そのため、複数回の施術が必要となります。

その他の脱毛方法

  • 光脱毛……IPL(Intense Pulsed Light)と呼ばれる光を照射する脱毛方法、レーザー脱毛よりも痛みは少ないが、効果は医療レーザー脱毛ほど高くない
  • ニードル脱毛……電気を流した針を毛穴に刺して脱毛する方法、毛を1本ずつ処理するため効果は高いが、時間がかかり痛みも伴う

※脱毛は、どんな方法でも不自然なことであるため、ある程度のリスクを伴う

危ない美容器具・ダイエット器具

低周波美顔器

低周波美顔器は、微弱な電流が筋肉を伸縮させて血行を良くし、皮膚細胞を引き締め、皮膚のトーンアップやコラーゲンの生成を促しハリを改善するといわれています。

低周波美顔器の種類

  • EMS美顔器……筋肉を直接刺激し、リフトアップ効果
  • イオン導入美顔器……イオンの力で美容成分を皮膚に浸透させ、保湿効果や美白効果
  • RF美顔器……高周波を利用した美顔器で、皮膚の深層部の温熱効果によりコラーゲンの生成を促し、肌のハリや弾力アップ

※神経系に直接電流を流すことにより、脳に何らかの悪影響を及ぼす怖れがある。

光美顔器

  • 単色光美顔器……特定の色の光のみを照射
  • 多色光美顔器……複数の色の光を組み合わせて照射
  • EMS機能付き美顔器・・・・・・光に加えて、電気刺激を与えることで、筋肉を刺激し、リフトアップ効果を高める
  • RF機能付き美顔器・・・・・・光に加えて、高周波を照射することで皮膚の深層部に熱を与え、コラーゲン生成を促進

※自然光とは異質の光を照射するので、神経系と脳に悪影響を及ぼす怖れがあります。

安全な健康美容機器

超音波美顔器
超音波の振動によって、皮膚細胞の代謝が上がりハリが出ます。
また毛穴の汚れが浮き出し、皮膚がきれいになります。

フェイスマスク
顔にマスクを貼り付けて、化粧水などを浸透させます。使う化粧水や、栄養クリームなどの質が良ければ、マスクのパックは安全です。

バランスボール
バランスボールや乗馬機は、自然に体幹のバランスを整え、筋肉の強化に有効です。
体幹のバランスを整えることは、骨格系(脊柱など)、自律神経系を整えることに繋がり体調が良くなるため肌もきれいになります。

ゴムベルト、水ダンベル
ゴムベルトや水ダンベルを使い、アイソメトリックストレーニングなどを行うと、全身の代謝が上がり皮膚の健康にも効果があります。

コラーゲン

コラーゲンは、人の体内に存在するたんぱく質の一種で、肌や骨、関節、血管など、体の様々な部分の主要な構成成分です。コラーゲンは、肌の弾力やハリを保つために特に重要な役割を果たしており、年齢とともに減少していくことが知られています。

コラーゲンサプリメントは、このコラーゲンを補うために作られた食品です。コラーゲンペプチドと呼ばれる、体内に吸収されやすい小さなコラーゲン分子が配合されていることが多いようです。肌の弾力・ハリ、シワの改善、髪の改善、関節の健康などに効果があるといわれています。
しかし外部から摂り入れたコラーゲンは身体の素材にはならず、異物として処理されます。

核酸

核酸は、人の体の中にあるDNAとRNAの主成分となる物質です。DNAは遺伝情報を保存する設計図のような役割を担い、RNAはタンパク質合成の際に重要な役割を果たしています。
核酸は、細胞の増殖や修復に深く関わっているため、美容や健康維持に関心を持つ人々から注目されています。核酸を摂取することで、若さを保つ、 細胞の再生を促し、肌や髪のハリ、ツヤを保つ、免疫力の向上、疲労回復、脳機能向上などの効果があるといわれています。
しかし人の身体はそれほどシンプルではありません。外部から摂り入れた核酸は、胃腸で分解されて細胞の核まで届きません。逆に異物として処理するのに、余計な負荷がかかります。ゆえに肌をきれいにすることは、期待できません。

酵素飲料 

巷では酵素健康法がブームの感があります。酵素をとるために、生の果物や野菜をふんだんに食べる、酵素健康飲料を飲むなど色々な方法があります。酵素を摂り入れることで健康になり、きれいになり、若返ることを期待して、酵素健康法を実践している人が増えています。しかし皮肉にも、熱心に実践する人ほど不健康になり老化が進んでいきます。
その理由は、次のとおりです。

(1) 酵素は、必要な時必要な種類のものがそれぞれの細胞から生まれます。すべての細胞が、酵素を生成します。酵素は、それぞれが独自のものであり、他の酵素では代替できません。そのため、人体には3000種以上の酵素があります。
植物からとる酵素は、人体で産生するものとは異質のものです。体内に入れば異物であるため、生体にとっては負担になります。場合によっては、拒絶反応を起こします。

(2) 酵素はタンパク質が主成分です。そのため、胃に入ればすべて胃の消化酵素によって分解され、アミノ酸に変化します。したがって、酵素のままで体内に吸収されることはありません。

(3) 植物に含まれる消化酵素の絶対量は、微量です。相当多くの植物を食べても、胃液に含まれる酵素の量とは比較できないほど少なく、活性度は低いものです。したがって、消化の助けにはなりません。果物や生野菜の陰性成分を多量に摂り込むことで、逆に消化力が低下します。

(4) 仮に外部から摂り入れる酵素が体内で働くとしたら、廃用性萎縮が起こり自ら酵素を生成できなくなり、全身の機能低下に陥ります。

(5) 合成酵素や発酵飲料など、酵素補助食品は不要なものが添加してあります。液体は、砂糖、合成クエン酸、合成エタノールなどで保存してあり、マイナス面の方が大きいものです。
粉末は、乳糖などと混合してあります。蔗糖、ブドウ糖、果糖、乳糖など精製糖類の害や、合成エタノールなどのマイナス面の方が、はるかに大きくなります。

ビタミン・サプリメント

ビタミンは、健康のためには無くてはならない重要な栄養素です。体内で複雑多岐にわたる生命活動のほとんどの場でビタミンが働いています。ビタミンは不足も過剰もなく、常に供給されていなければなりません。ところが現代人の食生活では、大半の人がビタミン不足に陥っています。

そこで普段の不足分を補うためにビタミン剤やサプリメントが市販されるようになりました。しかし合成ビタミンは、身体のセンサーが天然と違うことを判別してしまいます。合成ビタミンは、ほとんどが異物として処理するため、負荷が大きくなります。脂溶性ビタミンのA・E・D・Kは、過剰摂取すると副作用が発生します。