有効成分

ミネラル

カルシウム    

カルシウムは、神経系の信号の伝達に重要な働きをしています。神経細胞は、電気信号と伝達物質とが交互に作用して情報の伝達を行っています。神経細胞は、脳細胞をはじめ全身に分布して生命活動をコントロールしています。神経細胞の伝達がわずかでも狂うと、たちまち全身の機能が障害を起こします。精神状態にも、異常をきたします。

脳で発した信号が全身に伝えられ統制をはかるとともに、身体の各部からの膨大な信号は脳に伝えられ、全身器官がコントロールされています。複雑精妙な人体が滞りなく健全に機能できるために、脳・神経系の統制機能が重要な役割をはたしています。

神経細胞が、次々に他の神経細胞に情報を伝達していくとき、電気信号と伝達物質とが交互に伝えていきます。脳細胞も自律神経も、信号伝達は同様に行われます。信号伝達物質は、アセチルコリンなどが神経細胞の末端で分泌されて伝達されます。このときカルシウムイオンが神経細胞に侵入して、伝達物質の放出を促すことによって次の神経細胞に情報が伝わります。これがくり返されて、相互に情報がやりとりされています。カルシウムがわずかでも不足するとこの伝達が滞るため、精神と身体が同時に異変を起こすのです。

また、身体を動かすために活動する筋肉細胞は、カルシウムに支配されています。筋肉細胞が活動するためには、カルシウムイオンが細胞内に入りスイッチをONにすると細胞が収縮します。つまり、カルシウムの作用がなければ、身体は動かすこともできないのです。心臓や動脈が伸縮活動をくり返して血液を循環させるためにも、カルシウムが作用しています。胃腸や胆のう、膀胱なども筋肉細胞でできています。

カルシウムの99%は骨格中に存在し、他は歯、筋肉、血液中に含まれています。血液中のカルシウムはイオンの形で含まれ、多くの酵素の作用に関与して生命活動を円滑にします。また免疫細胞の活動、体液のpHの調節など、多岐にわたる役割をはたしています。

カルシウムは、乳製品(ヨーグルト、チーズ)や小魚(じゃこ、しらす干し、煮干)などで摂取できていると思っている人が大半ですが、実は逆にカルシウム不足に陥っていることが多いのが事実です。なぜなら乳製品や小魚などのカルシウム含有量は多いですが、カルシウム代謝が円滑に行われないため、カルシウム不足に陥りやすくなるからです。その結果、結石や関節炎などの弊害を引き起こすこともあります。

カルシウムを多く含む食物

海藻(わかめ、ひじき、こんぶ、のり、あらめ、もずく)
大豆製品(味噌、納豆、浜納豆、豆腐、高野豆腐)
乳製品、小魚類は、あまりお勧めできません。

マグネシウム

マグネシウムは、300種類以上の酵素を活性化する補酵素として働き、骨や歯の形成、タンパク質の合成、筋肉機能、神経の伝達、体温・血圧・血糖の調節などに関与しています。またマグネシウムとカルシウムは密接に関わっており、骨の強度を保つために重要な役割を果たしています。血中のマグネシウムが不足すると骨からマグネシウムが取り出され、この時同時にカルシウムも溶出するのです。

以上、マグネシウムは生命維持に欠かせないミネラルのひとつです。 マグネシウムが不足すると骨がもろくなり、不整脈や虚血性心疾患、高血圧、筋肉のけいれんを引き起こすことがあり、また神経過敏やうつ症状などが生じることもあります。

マグネシウムを多く含む食品

種子類(豆、ごま、穀類)、味噌、豆腐、高野豆腐
米は、玄米の形では多く含まれますが、白米にするとほとんど失われます。

亜鉛

亜鉛は、体内の約400種類以上の酵素の働きを助ける(補酵素)ことで、細胞の成長や修復、免疫機能の維持など、体の機能を円滑にする上で重要な役割を果たしています。亜鉛が不足すると関与する酵素の働きがダウンして、様々な健康障害を引き起こす可能性があります。

亜鉛不足で起こる症状

  • 子供の成長が遅れる可能性
  • 免疫力が低下して、アレルギーや感染症にかかりやすくなります
  • 味覚の低下や味覚障害を起こすことがある
  • 皮膚炎や湿疹などの原因になる
  • 傷が治りにくくなる
  • 髪が抜けやすくなることがある

亜鉛を多く含む食物

かき(牡蛎)、海藻(わかめ、ひじき、のり、こんぶ等)、ごま、ナッツ(かぼちゃの種、松の実、アーモンド、カシューナッツ、)レバー、赤身肉(肉、魚は亜鉛と共に不要物質が入るのでお勧めはできない)

現代人のミネラル不足の原因

現代人にミネラルが不足しがちになる理由は、以下の原因が考えられます。

  • 戦後の食の欧米化により、ミネラルの多く含まれる食品が少なくなった
  • 米、麦や雑穀などの摂取が減り、高脂肪・高カロリーの食事が増えた
  • 精製糖(白砂糖、果糖、ブドウ糖など)、精製塩の摂取が増えた
  • 外食やファストフードの利用が増えた
  • 食品加工により、ミネラルが失われる
  • ストレスや環境悪化によりミネラルの体内消費が増えた
  • 化学肥料・農薬を多量に使う農業により農産物のミネラルが減った

ミネラル補給食品

補助食品としてのミネラル補給をする場合は、天然の素材を原料とし不自然な手を加えず、ミネラル以外のものが含まれず、ミネラルバランスがよく、活性が高い(イオン化しやすい)ものが良質です。

良質なミネラルを摂取すると、体内の疲労物質や代謝産物などの老廃物が中和され、血液が浄化され、血行がよくなります。自律神経とホルモンが安定し、全身の細胞が活性化し、器官全体の機能が高まります。その結果、代謝が活発になり、全身的に機能が上がります。