病気

危険! コロナ禍における ビタミンD不足

新型コロナの拡大

現在、新型コロナウイルスの拡大は治まる様子がありません。このまま蔓延が続くと、世の中のあらゆる分野が深刻な事態に陥るのは目に見えています。医療従事者、政治家をはじめ、すべての国民がこの大問題に立ち向かっています。しかし事態の収束はいつになるのか、だれにも見通しが立たないのが現実です。

どんなことにも『原因・結果の法則』があります。原因無くして結果はあり得ません。問題の解決に当たっては、原因を見きわめてその源の解消をすることが、重要です。根本原因の解決ができれば、問題の繰り返しは無くなります。

コロナウイルスの問題に対しても、人と病原体の関係において因果関係があるわけです。ウイルスを寄せ付けないことだけに躍起になって、自らの体内環境(体の中の状態)には目が向けられていません。大切ことは、ウイルスが入ってきても平気な健全な体をつくることが先決です。

体内環境を健全にする方法は、多くの情報がありますが的確なものはあまり見当たりません。日本保健機関では、確かな情報を選択して順次提供していきます。

ビタミンDの効果

一つの有益な情報として「ビタミンDが、感染リスクを減らす」という複数の研究報告を紹介します。

ビタミンDについては、近年30年間に10000件以上の研究がありますが、最近では感染症と免疫に関する研究が多く発表されています。WHOでも上気道炎(新型コロナ、インフルエンザ等による感染症)予防にビタミンD摂取を推奨しています。

ビタミンDの感染症予防のメカニズムについて、世界のこれまでの研究では主に以下のような事実が確認されています。

◆ ウイルスの複製率を低下させる物質の誘導

ウイルスが体内に侵入し増殖することによって細胞が破壊され、炎症が起こる減少が感染です。

ここでビタミンDが充分あると、ウイルスの増殖を抑える物質を生成させる働きがあります。

◆ 炎症性サイトカイン(免疫系の物質)の濃度の低下

ウイルスを排出するための免疫反応が過剰になると、自分の細胞を破壊することになります。ビタミンDが、過剰反応を抑える働きを促します。

◆ 抗炎症性サイトカインの濃度の増加

細胞の炎症を抑える物質の生成を、促します。

ビタミンDの主な機能は、カルシウムとリンの吸収促進、骨の形成と成長促進、遺伝子の働きを調節(免疫向上・糖尿病予防・発ガンの抑制)など、重要な役割があります。

◆ ビタミンD不足の危険

ビタミンDが不足すると、次のような障害が起こる怖れがあります。そのため新型コロナに感染しやすく、重症化しやすく、後遺症が残りやすくなります。

  • 免疫力低下、筋力低下、神経系低下、精神不安定、脳機能低下、生殖機能低下
  • 精神障害(自閉症、うつ)、花粉症、糖尿病、動脈硬化、
  • クル病(小児)
  • 骨軟化症、骨粗しょう症(成人)

◆ ビタミンDの基準値(正常値)

(1ng/mL=2.5nmol/L)

基準値 30~100 ng/ml
不足状態 20以上~30 ng/ml未満
欠乏症 20 ng/ml未満

厚生労働省の調査によると、日本人のビタミンD摂取量は:平均値:7.5μg、標準偏差:8.0μg、中央値:3.8μgです。

厚生労働省によるビタミンD推奨摂取量は1日5.5μg、上限は1日100μgとしています。

現在、多くの国民がビタミンD不足や欠乏に陥っている現状を考えると、1日5.5μgの摂取は不十分であろうと思われます。

◆ ビタミンDの摂取

ビタミンDは食物から摂取するのが望ましいのですが、多くの人は不足しがちです。それを補う最も適切な方法は、日光浴です。

皮膚に日光(紫外線UV-B)を浴びると、体内のコレステロール(エルゴステロール)がビタミンDに変化します。1日に5~15分ほど戸外に居るだけで、ビタミンDが満たされます。日によって紫外線量が変化しますが、心地よい程度が適量の目安です。

日焼けが気になる人は、手の平と足の裏は日焼けせずにビタミンDをつくることができます。

◆ 食物からビタミンDを摂取

ビタミンDを多く含む食物は、きくらげ、椎茸など天日干しの茸や海藻などです。魚介類では、鮭などに多く含まれています。

魚介類は、ダイオキシンや重金属が含まれている心配がありますから、なるべく植物性食物から摂取することがお勧めです。

最も効率よく安全にビタミンDを摂るには、きくらげが最適です。市販のキクラゲは、室内で栽培し電気乾燥のものがほとんどで、これではビタミンDはわずかしか含まれていません。きくらげを選ぶ場合は、小さく、黒く、薄く、軽いものが良質です。良質きくらげは、体組織を強化し、血管を柔軟・強靭にし、血液を浄化し、腸内環境を浄化するなど、多くの効用があります。

(1μg=0.025 IUで計算)

食物 1食分 含有量
きくらげ(天日干) 2g 8.8μg  (352 IU)
50g 1.0μg  (40 IU)
100g 39.4μg (1576 IU)
100g 9.2μg  (367 IU)