外的要因

新型コロナ感染症

ウイルスの本質を知ることで感染症は予防できる

感染を防ぐためには、ウイルスが好む体内環境を造らないことです。

  1. ウイルスは、呼吸器の粘膜(表面の軟らかい膜)が弱っている人を好みます。
    粘膜が弱ると、ウイルスを捉える粘液が少なくなります。
    ウイルスを粘液とともに排除する役割の繊毛の働きが衰えます。
    するとウイルスが体内に侵入しやすくなります。
  2. ウイルスが体内に侵入した時、粘膜の内部にウイルスが好む老廃物が溜まっていると、
    それを養分にしてどんどん増殖していきます。

◇ ①②の条件がなければ、免疫が働く前にウイルスは自然消滅してしまいます。

新型コロナウイルスは、感染が一気に広がり、ピークを迎えて一時減少しているかに見えても再び感染が拡大するという波を5回くり返してきました。今(9月)は、減少してきていますが、初冬から再び拡大してくる怖れがあります。
冬は、感染が大きく広がる可能性があるので、注意が必要です。
冬に感染が広がりやすいのは、次の理由です。

  1. 空気が乾燥するため、粘膜が乾燥してウイルスが侵入しやすくなる。
  2. 室内と戸外との温度差が大きく、体温調節がスムーズにできないと身体ストレスが大きくなり、免疫力が下がります。
  3. 寒さに長時間さらされて、体温(深部体温)が下がると、免疫力が衰える。
  4. 体を冷やす食物を食べて、体温(深部体温)が下がりやすい季節。
    果物、夏野菜(トマト、ナス、キュウリ)、豆乳、ジュース、ビールなど

予防のために注意すること

  • 入浴に注意……湯冷めを絶対にさける
    湯冷めをすると、一時的に体温が平熱以下に下がることがあります。
    この時に、免疫力が一気に衰えて感染しやすくなります。
    さらに重症化しやすくなります。
  • 疲労の蓄積をさける
    疲労物質が体内にたまっていると、感染しやすくなります。
  • ストレスを蓄積させない
    ストレスがたまると、免疫の中枢が低下します。
  • 睡眠を十分にとる
    睡眠の質が悪く、時間が不足していると、自律神経が不安定になり、免疫力が低下します。
  • 水分を摂りすぎない
    水分を摂り過ぎると、血液循環が悪くなり、体が冷えて免疫力低下につながります。
  • 体を冷やし過ぎない
    体が冷えるにしたがって、免疫力が比例して衰えます。
  • 呼吸器(鼻、のど、気管支)を乾燥させない…とくに就寝中、部屋を乾燥させない
    呼吸器の粘膜が乾燥すると、ウイルスが侵入しやすくなります。

感染した場合の対処法

感染した疑いがある場合は病院に行って診察を受けますが、パンデミックが拡大した場合は、自宅療養を強いられる場合があります。
その時、ただ寝ているだけでは、悪化していく怖れがあります。自分でできることを行うことが必要です。その場合は、絶対に安全で有効な対処が重要です。

症状を判断

次の症状が2つ以上あれば、感染を疑う
◉発熱 ◉悪寒(寒気)◉咳 ◉痰 ◉のどの痛み ◉鼻水 ◉頭痛 ◉倦怠感(だるさ)◉息切れ ◉痰 ◉筋肉痛・関節痛 ◉下痢 ◉味覚・嗅覚の異常

対処法

  • 安静……動かないことと、内臓に負荷をかけないこと
    本葛粉、または粥(3~5分づき)少量と、梅干を摂る
  • 保温……身体を冷やさない
  • 部屋の湿度を上げる……加湿器、またはぬれタオル(バスタオル2枚)をかける
  • 風を避ける……部屋の空気を動かさない
  • エアコンは、できるだけ使わず空気をきれいに保つ

※ 脱水に注意……発熱時は、水分をこまめに少しずつ飲む 体温程度(37~40℃)

家庭療法

  • 蒸気吸入
    吸入器で蒸気を口から吸入……1回2~3分 1日3~6回
  • 足浴
    20~30分
  • しょうが湿布……腎臓に施す(副腎機能を高めて免疫力を増進)
    1回1~2時間 1日2~3回

※ やり方は、巻末にあります。

補助食品

次のいずれかを飲用すると効果がある

  • 黒焼ニンニク……国内産の良質なもの
    1日 2~3片(約2~3g)
  • プロポリス……「プレミアム5」ネイチャープラネット株式会社
    1日0.5~1g⇒2回
  • 地竜(刻み)……漢方薬局で入手(鮮度の良いもの)
    1日3g⇒2回

※ 質の悪い製品が多いので注意

回復後も細心の注意

  • 疲労を避ける
  • 完全に回復してから1~2日は、本葛粉、または粥(3~5分づき)少量と、梅干
  • 体調が完全に安定するまでは入浴をさける……1~3日
  • しばらくの間は少食にする……1~2週間

感染しやすく、悪化しやすい人

とくに普段から注意すべき人

  • いつも食べ過ぎの傾向
  • 間食が多い
  • 運動不足
  • 肥満
  • アレルギー体質
  • 風邪にかかりやすい
  • 粘膜が弱い
  • 冷え性、低体温症
  • ストレスを多く蓄積している
  • 免疫抑制剤を服用している(リウマチ、強度花粉症、臓器移植後など)

危険な症状の見極め

次のような症状がある場合は直ちに救急車で病院に行き、治療を受けましょう。

子供の場合

【発熱、せき】
  • 40度以上の熱が長く続く(3日以上)
  • 41℃以上の熱
  • 夜中に激しいせきが出る(呼吸困難を伴う)
【呼吸】
  • 呼吸数(1分間)……
    乳児…50回以上
    幼児…40回以上
    児童…30回以上
  • ラッセル音(喘鳴)……ヒューヒュー、ゼイゼイ
  • 尾翼呼吸……吸気の時尾翼(小鼻)を広げる
  • 陥没呼吸……肋骨の周囲が呼吸に合わせてへこむ
  • 肩呼吸………激しく肩を上下
  • 起座呼吸……横になれず起き上がって激しい呼吸
【チアノーゼ】
  • 顔や爪が青紫色

※ 血液中の酸素不足……血行障害、呼吸障害

【嘔吐】
  • 吐物に血液、緑色の物、褐色の物などが混じる
  • 続けて何度も吐く
  • けいれんを伴う
  • 意識が不明瞭
  • 尿が半日以上出ない
  • 頭を強打した後24時間以内に嘔吐
【下痢】
  • 1日10回以上続く
  • 便に血液、粘液が混じる
  • 水分が十分とれず、尿の出が悪い
  • 強い吐き気を伴う
【けいれん】
  • 発熱を伴わない
  • 5分以上続く。または短く繰り返す
  • 片側だけがけいれん
  • けいれんが治まっても意識がない

※ 高熱が出て2~3分のけいれんで治まる場合は、様子を見る(熱性けいれん)

【意識】
  • 意識がうつろ、または意識を失う

全身症状

0~3歳
  • 40度以上の熱が2日以上続く
  • 痙攣が5分以上続く
  • 意識がはっきりしない
  • 呼吸が異常
  • 泣き方が異常
  • 顔色が悪い……チアノーゼ(青紫色)など
  • 目の異常
  • 30分以上泣き止まない
  • 腹がパンパンに張っている
4~6歳
  • 40度以上の熱が2日以上続き、ぐったりしている
  • けいれんが5分以上続く
  • 意識障害……名前を呼んでも反応しない
  • 呼吸が異常
  • 顔色が異常……チアノーゼなど
  • 目がうつろ
  • 嘔吐を繰り返し、吐物に血液や緑・黄色の液体が混じる
  • 腹部に触れると、強い痛みや不快感を示す
7~15歳
  • 上記と同様の症状
  • 風邪症状にともない、幻覚・幻聴など精神症状が現れる

成人の場合

  • 意識が不明瞭、または不明
  • 呼吸が激しい、または弱い
  • 脈が異常に速い、または弱い
  • 顔色、唇が蒼白、またはチアノーゼ
  • 瞳孔が広がる、または縮小
  • 声が弱い……聞き取れない
  • 痛み……がまんできない激しい痛み
  • 吐き気……激しく何度も繰り返す
    血液、緑・黄色の物が混じる
  • 下痢……激しく何度も繰り返す
    血液、黒色の物が混じる

家庭療法のやり方

【しょうが湿布】

用意する物

タオル……4~5枚 バスタオル……1~2枚 鍋……中・1 おろし器……1
耐熱コップまたは長尺湯のみ……1 ホットパックまたは、こんにゃく……1
ひねショウガ……100g

  1. ショウガをすりおろし、汁をしぼる
  2. ショウガ汁を湯煎で温める……50~55℃
  3. ホットパックを、60~70℃に温める
    タオルをたたんでショウガ汁をかける……当てる場所の広さに合わせる
  4. 皮膚の上にタオルを1枚置き、その上にショウガを浸透させたタオルを
    重ねる
    その上にタオルを2~3枚を重ねて置く
    その上から、ホットパックまたはこんにゃくで保温する
    その上に、バスタオル1~2枚を折りたたんでかぶせて保温する
    気持ち良い程度の温度に調整しながら60~90分温める

【足浴(足湯、脚湯)】

  1. 浴槽の湯を20~30㎝に減らし、湯の温度を上げる……42~43℃
  2. 湯中に、塩10g(大さじ2杯)を入れる(ミネラルを加えるとなお良い)
  3. 脚を浸す……20~30分
  4. 上った直後に、温めた脚の部分へ水シャワーをかける……3~5秒