環境

健康を左右する室内環境 ②

照明

人は太陽、月、ろうそく、ランプ、たき火、炭火など自然光の下にいると、神経系・内分泌系が安定し心が穏やかになります。目から入った光は電気シグナルに変わって脳に送られ、心身に作用します。皮膚に触れた光も同様に脳へシグナルが送られるとともに、光の大部分はエネルギーに変換して皮膚細胞に吸収され、細胞の代謝(働き)を高めます。

現代人の生活環境にある明かりは、大半が人工光です。長時間人工光の下にいると、精神、自律神経に悪影響が出て、疲労やイライラが起こってきます。

人工光の光源には、白熱球、蛍光灯、LEDなど様々な種類のものがあります。近年、LEDの増加に伴って、精神的・神経的障害が発生する人が増えています。

自然光に近い人工光源で人の心や神経系になじみやすいのは、白熱球です。クリプトン電球やハロゲンランプも、自然光に近い白熱電球の類です。蛍光灯は、自然光に比べて波長の範囲が狭くなります。

自然光の代表の日光は含まれる波長の種類が幅広く、目に見えない短い波長から目に見える可視光線、さらに目に見えない長い波長まで広範囲に含まれています。人は、600万年ともいわれる長い歴史の中で、毎日自然光を浴びながら生活して来たため、自然光に順応しています。

一部の波長だけを含む人工光は、ごく近年に使われるようになったものなので、人は順応していません。特に波長の範囲が狭い蛍光灯は自然光とは異なるため、なじめません。さらに最近のLEDにいたっては波長の範囲が非常に狭いため、脳に送られるシグナルは自律神経のバランスを崩すことがあり、心身の障害を発生する人が増えています。

したがって生活環境の中での照明は主に白熱電球を用い、特に明るさが必要な時には蛍光灯を、と使い分けるのが良いでしょう。白熱電球には、普通のタングステン電球、クリプトン電球、ハロゲンランプなどがあります。

健康のことを考えたら、LEDは生活環境には常用せず、一時的に使う廊下、玄関や外灯などだけにするのが良いでしょう。特に癒しを求める居間、台所、寝室、風呂、トイレなどは、白熱電球を使うのが賢明です。

照明とともに、部屋の色彩も目から入る情報として心と神経系に影響を与えます。色彩はベージュや肌色など、自然界に多くある色が心や神経系に良い影響を与えます。心の鎮静には、青、紫が適しています。赤、朱色は、心を高揚させ意欲を高めます。食事をおいしく見せるには、オレンジ色が適しています。

 

空気

人は汚れた空気の中にいると、心が不安定になります。健全できれいな空気の中にいると心が穏やかになり安定します。

現代人の生活空間の空気は、かなり汚れています。汚れた空気が体内に入ってくると、敏感な生体センサーが働いて防御反応が起こります。それが自律神経系に作用して、心身に悪影響をおよぼします。さらに酸素の不足、二酸化炭素の過剰、一酸化炭素、窒素酸化物、炭化水素、ホルムアルデヒドの汚染などがあると脳にも悪影響をおよぼし、それが心にまで影響を与えます。

新建材などを多く使用した家の室内には、100種類以上の化学物質が含まれていることがあります。特に害が大きいのは、ホルムアルデヒドとシロアリ駆除剤で、どちらも脳に大きなダメージを与えます。これはほとんどの家で、使用されています。シロアリ駆除剤は、床下からわずかなすき間を通って室内に入ってきます。

室内の空気は、化学物質などの汚染がなく、酸素が豊富にあり、余計な汚染物質もなく、湿度は50~60%のほど良い湿気があり、十分な電子が含まれている森林のような空気がベストです。

 

植物

室内に観葉植物を置くと空気が浄化され、心を穏やかにします。植物の葉から出るフィトンチッドや香気成分が、心と自律神経を安定させます。

鉢に入った観葉植物は、土が空気中の化学物質を吸収して土中の無機質と微生物が分解し、残った物質は植物が吸収して内部で分解します。空気清浄機では分解することができない化学物質でも、観葉植物は分解できます。

観葉植物を部屋に置く数の目安は、1部屋に1個です。8畳間の場合、高さ40~60cmのものを窓側に置くことで空気の浄化ができます。

 

耳から入るシグナルは、神経系と心に直結しています。太古の昔から、人々は音の刺激で精神を鼓舞したり、穏やかに落ち着いたりすることを経験で知っていました。なにか周囲にあるものを叩く音から楽器が作られ、リズムをとりメロディーを奏でることにより心地よい陶酔感に浸ることを覚え音楽が生まれました。心地よい音楽は、人の心を癒します。不快な雑音はストレスになります。生活の中に心地よい音楽を取り入れることは、心の健康に役立ちます。

 

香り

香りは、生活とともに常に存在しています。嗅覚は脳と直結しており、心と自律神経に大きく影響を与えます。心地よい香りは心を癒し、不快な香りはストレスになります。

現代の生活環境には、不快な臭いがあふれています。現代人の長年の不自然な生活が嗅覚を鈍麻させ、香りをあまり感じなくなっている人が増えています。健康になれば、嗅覚は再び戻ります。

香りを出すものは、お香、精油(アロマエッセンス)、塗(ず)香(こう)などがあります。果物の皮、ハーブ、野菜、観葉植物なども効果的です。原則は、自分が心地よいと感じるものが良いものです。

アロマエッセンスは、天然で鮮度の良いものでなければ逆効果になることがあります。消費期限は、3~6ヶ月です。塗香は、天然の草木を原料に粉末化したもです。密閉保存をすれば、数年間は香りが持続します。塗香は、僧侶や宮司が瞑想の時に使うものです。

 

 

心を癒すアロマエッセンス

精油  効果
フェンネル 自律神経を安定

母乳の出をよくする

ガーリック
オニオン
自律神経を安定

甲状腺の機能を高める⇒代謝が高まる

⇒元気が出る

バジル
ゼラニウム
ローズマリー
副腎皮質の機能を高める⇒心身が安定する
ゼラニウム 内分泌腺の機能が高まる⇒ホルモンバランスが良くなる
ユーカリ
ジュニパー
ゼラニウム
リラックス効果

血糖を下げる

ホルモンバランスを調える

バラ
カモミール
クラリセージ
サイプレス
ジャスミン
ラベンダー
リラックス効果

精神を安定

自律神経を安定

生殖器に作用し、月経障害や更年期障害を改善する