環境

健康を左右する室内環境 ①

不自然な室内環境

現代の住宅構造は、心身トラブルの大きな原因になっています。現代建築は、大部分の材料がコンクリート、鉄、プラスチックなどの人工物でできています。昔の建物は、木、竹、紙、土、石、草など、すべて自然素材で造られていたため、室内の温度、湿度、酸素、二酸化炭素、空気イオンなどが自然環境とほぼ同じ状態でした。自然な構造の家の中では人の自律神経は安定し、体内器官の機能は高く維持され、心が安定します。

コンクリートのビルは、地上から高くなるほど電子の流れが悪くなり室内のイオンバランスがくずれます。人工建材で大地から隔絶され、自然の電子の流れが妨げられるため、室内には電子が不足して空気イオンのバランスが悪くなります。

一方、昔の木造家屋は自然素材で造られ、電気伝導性があるため電子が自然に循環して空気中の様々な分子はイオン状態でバランスがとれていました。

 

生活環境の要注意物・危険物

現代の生活環境中には、危険なものがあふれています。そのほとんどは、人工的に造り出されたものです。自然なものの中にも、有害なものがあります。

以下に、主なものを挙げます。

◆電磁波
  • 電子レンジ、電磁調理器(IH)、電気カーペット、電気毛布
  • アンテナ……携帯中継局、テレビ・ラジオの中継局、高圧送電線、降圧トランス
  • スマートフォン、携帯電話、無線機
◆化学界面活性剤
  • 台所洗剤、洗濯洗剤、歯磨剤、シャンプー、ボディシャンプー、食洗器洗剤
  • 漂白剤、住まい洗剤(トイレ、風呂、床)、家具磨き、金属磨き
◆家庭用化学薬品
  • 入浴剤
  • 殺虫剤、殺菌剤、消臭剤、抗菌加工品
  • 蚊取線香、電気蚊取、燻蒸剤(燻煙)、徐光液
◆建材に含む化学物質、床下(白アリ駆除剤)
◆エアコン、石油ストーブ、ガスストーブ
◆工場煤煙、自動車排気ガス
◆農薬
  • 食品中、空気中(揮発農薬・空中散布)
  • 殺虫剤、除草剤
◆有害微生物……細菌、ウィルス、カビ
◆有害生物……蚊、ダニ、蚤、シラミ

 

階層

生活する場は、地上に近いほど健康的です。地上から高く離れるほど大地からの電子の供給が少なくなるため、不健康要素が増します。

あらゆる物質は原子で構成され、原子は素粒子で構成されています。素粒子の中でも電子は、原子の間を自由に動き回りながら物質の変化に大きく影響を与えています。電子が過剰や不足であったりすると、物質の構造が変化し、物質の機能が低下したり失われたりします。人体も物質であるため、電子のふるまいには影響を受けます。体内の電子が不足すると生体エネルギーが低下して代謝が下がり、器官の機能が衰えます。地上から高い位置になるほど、この現象は強くなります。そのため高い階層に生活している人に、神経症やうつ病など神経・精神疾患が多いという事実があります。1~2階建てが、住まいには適しています。

標高が高い場所には電子が凝集する傾向があるので、高地の住居は高エネルギーになります。しかし標高1200mを越えると気圧が下がり、酸素が薄くなり、代謝が下がり健康条件は低下します。

 

土地

家を建てる土地は、元々自然の状態であった所が適しています。山、森、林、野原など、人工的な操作を行っていない場所です。自然な土地にも、エネルギーの高い所と低い所があります。地中を流れている電子の動きによって、エネルギーレベルが左右されます。大地電流は縦横に流れていますが、良い土地は電子が中心に向かって流れています。自然地の次には畑、果樹園、田の跡地の順に良く、沼、池、湖など、水を多く含んでいる場の跡地は不適切です。廃棄物などを埋めた土地は、最悪です。何かの建物が建っていた跡地は、要注意です。とくに工場などの跡地は、有毒廃液が土壌に浸みこんでいることが考えられます。

 

外装

家の外装材として使用するものは、外界からの侵食を防ぐためだけでなく、断熱や通気にも関わり家と住人の双方に影響を与えます。

最良の外装材は、無垢の木です。次に良いのは、土壁(大津壁)、石、レンガ、タイル、樹脂、鉄板、ALC(気泡コンクリート)、コンクリートの順です。

 

内装

室内の床、壁、天井の材質は、健康に大きく関わります。合板やビニールクロスなど人工素材は接着剤などに複数の化学物質が使われており、揮発して室内にこもるようになります。新築の室内には、数十種類から数百種類の化学物質が含まれていることがあります。化学物質の素材は通気性も悪いため、温度・湿度の空調が円滑にできません。

内装材として最良は、無垢の木です。次は竹、そして珪藻土、土壁(大津、漆喰)、クロス(布、紙)、石、タイル、合板、ビニールクロス、合成樹脂、コンクリートの順に不適切な素材になります。

 

特に重要な部屋の条件

台所

  • 換気扇を設置し、四六時中回して換気をします
  • レンジは、シースヒーター、ハロゲンランプが最適で、次はガスです。
  • オーブンは、蒸気オーブンが安全で優れています。
  • 電子レンジ、電磁調理器(IH)は、極力避けるべきです。

浴室

  • 内装材は、天然素材が最良……木、竹、土、石、炭、珪藻土などが優れています。
  • 浴槽は、木が優れています。次は、ホーロー、タイル、ステンレス、プラスチックの順です。

寝室

  • 内装材は、すべて天然素材が優れています。
  •  換気扇を設置し、常時ONにしておきます。
  • 冬季に空気が乾燥している時は、加湿器で湿度を上げることが必要です。
  • 冷暖房は安全なものにして、最低限の使用にする。

 

空調

現代人は、1年中室内の温度を快適な温度に調整して過ごしています。その結果、自律神経、免疫機能、体温調節機能、意志力などの低下が起こります。

人は太古の昔から、厳しい環境に順応して生きてきました。体は、環境の変化に対して体内環境を調節することで適応して健全に過ごすことができる機能が備わっています。現代生活では生活環境を人工的に調節して快適するいうことを過度に行うため、本来の適応能力は退化してきました。その結果、自律神経系、内分泌系、免疫系など、健康を維持する機能が下がり、わずかの環境変化にも適応できず障害を起こすことになります。アレルギー、自律神経失調、熱中症などが増加しているのはその表れです。

夏季は、窓を開け網戸にして自然の外気を取り入れるのが適しています。

冬季の暖房は、床暖房(湯、スチーム)が最適です。電熱式床暖房は、電磁波が発生するので適しません。その他、電気ストーブ(セラミックヒーター)、こたつ、火鉢などが健康的です。

石油ストーブ、ガスストーブは室内の空気を汚します。