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認知症予防と記憶の科学

老化はから

 人が脳を使い脳細胞が活動すると、活動している部分だけ血流が盛んになります。いつも同じ脳の部分ばかり使っていると、その細胞だけが活発に働いて他の細胞は衰えてきます。このとき血液中に老廃物が多いと、衰えた脳組織の細い血管の流れが滞り梗塞(詰まり)を起こしやすくなります。脳は、まんべんなく使っていなければ衰えますこの脳の退化脳の老化であり、だれでも起こる宿命だから避けられないものと思われいます。これは大きな間違いです。不健全な生活の結果であり、すべて自己責任です。

 脳細胞をバランスよく働かせ退化や梗塞を避けるためには、読む、話す、考える、見る、聞く、歌う、物を作る、体を動かすなどできるだけ多様な活動し、脳に適度な刺激を与えることが必要です。特に感情部分を刺激すると、脳細胞は活発に働きます。夢や希望を持ち、好奇心を広げ、感動や笑いを多くし、いつもトキメキを感じる機会を増やし感情刺激を多くするとの血行が盛んになります。さらに脳内からは様々なホルモンが分泌され、全身器官の機能も高まります

 脳内に常に良質な血液を送り知的刺激と感情刺激を多くすると脳の神経線維が増加して回路が発達し細胞の新生も起こります。脳は、生きているかぎり進化・発達続けていくものです

認知症

 今日では、認知症が異常に増加しています。厚労省の調査では、軽症を含めると現在850万人といわれており今後ますます増加していくでしょう

認知症の大半は、Aβアミロイドβタンパク等が脳内に蓄積し、脳の血管が詰まって脳細胞の機能が徐々に失われていくといわれています。この傾向は40代から始まり、ますます低年齢化する傾向があります。原因の多くは、食生活にあります。現代人の食事は、体内でAβが発生する成分が多量に含まれています。特にタンパク質、脂質、糖質などの質の悪いものが原因になります。

認知症は本人だけの問題ではなく周囲の人々を巻き込み、皆を不幸にし、社会全体の平和を破壊することになります。認知症は高齢化に伴う自然現象で脳が衰えるのは仕方がないものと思われていますが、それは大きな間違いです。すべて自分自身の責任であると自覚しなければなりません。因果の理を知り、生活を改めることです

記憶のメカニズム

 人間の脳は大きく分けて2種類の記憶から成り立っています。しばらくすると忘れてしまう記憶「短期記憶」と、ほぼ永久的に覚えていられる記憶「長期記憶」です。
すべての記憶はいったん脳の奥の海馬という部位に保存されます。この状態を「短期記憶」と呼びます。海馬内で情報の取捨選択が行われ、これは
長期間覚えておかなければならないと判断された記憶は大脳新皮質に送られます。大脳新皮質は、電気的シグナルを伝達する約1000億の神経細胞同士をつな軸索シナプス(神経伝達)で成り立っています。記憶はこのニューロンネットワークの情報伝達でつながれ脳細胞記録されたものです。


シナプス(神経伝達)とニューロン(神経回路)の成長

 人の脳は左右一対大脳半球という部位があり、脳梁と呼ばれる部位でつながっています。この大脳半球の表面は、大脳新皮質というわずか3mm程度の薄い膜のようなもので覆われています。このわずか3ミリ程度の大脳新皮質は、人が人であるゆえんである様々な活動、主に言語、視覚認識、思考、計算、理性などを司っています。ここにある1000億の神経細胞間は、5000~10000の軸索(神経線維)とシナプスにより繋がり、複雑な情報ネットワークを形成し外部からの様々な情報を処理しています。 

一つのコンピュータからインターネットを介して、同時に全世界の情報を得たり、メールで意思の疎通ができる仕組みと同じです。この回路が複雑で伝達が早く円滑なほど、頭がいいということになります

 例えば話しをしている時には側頭連合野の一部しか脳は働きませんが、言葉と会話について同時に考えている時は脳の違った色々な部分が働きます。思ったことをそのまま話すより、内容を考えてから言葉を選びながら発話をすることが、脳をより活性化させることができるのですこのように物事を考えることを続け、くり返すことでニューロンネットワークが形成されていきます。

 研究などで一つことを追い求める時はアセチルコリンの働きで頭が冴えて集中し、あらゆる方面から考える時などはニューロンネットワークを最大限働かせ、さらに結果である新情報は新記憶と旧記憶のネットワークを形成します。そして結論が出たときはドーパミンにより達成感に満足し、学会発表で再びドーパミンが出て、理論が評価された時にはアンダナミンによる陶酔感を覚え、論文にして後で読み返すときはエンドロフィンによる達成感を味わいます。
加齢に伴なって脳細胞は減少し記憶力は衰えていく人が大半ですが、本来は物事の情報を整理して総合的に考えるはたらきはニューロンの形成によるため高齢になるほど、脳の機能は高まります。加齢により脳機能が衰えるのは、年のせいではなく自己の生活の誤りによる全身的衰えによるものです。