飲・食

食べ方と心がけ

よくかんで食べる

食事はゆっくりよくかんで食べると、消化を良くすることはもとより多くの効果が得られます。

  1. 内臓全体の働きを高める
  2. 口の中を浄化
  3. 体力増進・老化防止
  4. 自律神経の安定
  5. 精神安定
  6. 脊柱が整う

食事量

人が必要とするカロリーは、個人差があります。また同じ人でも、時により必要量が変動します。したがって一律に数字を決めるべきではありません。

基本的には、良質な食材をバランスよく少量摂ることが健康な体をつくることにつながります。栄養バランスは、栄養学的バランスではなく真のバランスです。

食事の回数

規則正しく食べなければ健康に悪いという間違った常識に振り回されています。食べすぎによって病気を起こすことが、圧倒的に多いのが現代人です。

固定観念にとらわれず、体内の受け入れ態勢に応じて食べるようにすることが本来です。

食べる順番

生野菜を最初に食べて、後にメインという順番が当たり前のようになっています。それは野菜を先に食べると、糖質や脂質の吸収を抑えて血糖の上昇をおだやかにするといわれているからです。しかし消化器の生理を知っていれば、そんな発想にはなりません。野菜を先に食べても後に食べても、胃の中では一体になって消化されます。胃での消化が終わるころには、全部が混ざり合うわけですから順番は関係なくなります。

食べるタイミング

人の体内器官は、24時間の中でそれぞれ個々に活動と休息のリズムがあります。胃腸、膵臓など消化器官は、午後から夕方にかけて最も活発に働きます。

起床してから午前中は、全身にある老廃物の排泄や、炎症などの障害を起こしている器官や、疲労して機能低下を起こしている器官の修復が行われます。この時、食物が入ると、排出も修復も十分にできなくなります。なぜなら食物が入ると、消化をするために血液が胃腸などの消化器に集中します。そして消化活動が終わるまで他の器官に十分な血液が供給できないため、一時的に機能が下がります。そのため本来の排泄と修復が不十分になり、健康状態が悪化しやすくなります。

空腹は体をリセットする

人は空腹状態(平均16時間)が続くとオートファジーのスイッチが入り、体全体がリセットされます。オートファジーは、体内の老廃物(ごみ)をクリーニングし、古い細胞と新しい細胞を入れ替えるリサイクルシステムです。

体のリサイクルが円滑にできていれば、いくつになっても体が衰えることはありません。

適度な量

人の体は、飢餓に強く飽食に弱くできています。人類は、長い歴史の中で飢餓に苦しみ

続けてきました。そのため、飢えることには順応していますが、飽食の歴史は浅いため順応

ができていません。現代人は、大半の人が過食です。生活習慣病のほとんどは、過食が大き

な原因になっています。

少食を習慣化するとオートファジー機能が十分発揮されるため、健康維持が楽にできます。

学習も仕事も効率が上がります。

食事は楽しく摂る

食事の時は、心和やかに楽しく食べると消化器が活発に働き栄養素の処理が円滑に行われて、ホメオスタシス(自動的に健康を保つ機能)がフルに発揮されます。快の感情は自律神経とホルモンのバランスを整え、胃腸をはじめ臓器全体の機能が高まります。

疲労時は食事を摂らない

疲労しているときは、消化器の機能が低下するため食欲は減退します。頭の欲求ではなく、体内からの本当の食欲がわいてきたときに食べるのがもっとも消化・吸収の効率が良くなります。また最もおいしく食べることができます。

就寝前の食事は避ける

胃の中に食物が少しでも残ったままで寝ると、胃から脳へ信号が送られ続けて熟睡が妨げられ質のよい睡眠がとれません。その上、眠ると消化器は休止状態に入り機能が低下します。したがって消化時間が長引き、完全な消化ができません。

食事中の頭脳活動は消化不良の因

脳がフル活動しているときは、血液が脳に集中します。そのため消化器に循環する血液が不足して、消化機能が低下します。また脳から自律神経を通じて、消化器の活動を休止させるシグナルが送られます。したがって、こういう時は本来の食欲がわかないものです。それを時が来たからと機械的に食べると、脳も体も双方の機能が低下します。そのため消化不良を起こし、学習・運動・仕事の効率が悪くなります。この状態が長く続くと、病気の原因にもなります。頭を休めてリラックスできない時は、食事を摂らないことが賢明です。

食後の入浴・運動は避ける

入浴や運動をすると、血液は筋肉内に多量に流れて消化器に流れる血液が不足し、消化機能が低下します。したがって食事直後の入浴・運動は避けるべきです。食後は、運動をして消化を良くしようなどというのは、大きな間違いです。

食前・食後に、水分を多量に摂らない

食事とともに水分が多量に胃内に入ると、消化液が薄められて消化の効率が悪くなります。食事時にお茶や水を多く摂り過ぎないように、注意が必要です。

食前・食後に冷たいものを摂らない

冷たいものが胃内に多量に入って胃の温度が下がると、消化能力が低下します。特に消化しにくい油・タンパクなどを多く食べたところに冷たい物が多量に入ると、消化不良を起こします。

食物は、体温に近い35~45℃の温度で身体に入ると、消化・吸収が最も良くなります。消化力が弱い人、体力がない人、病気の人、認知症が心配な人は、体温レベルの温かいものを食べるようにすると改善されます。

塩分摂取量

夏季は、塩分を多めに摂ります。夏に多くなるカリウムが多い食物には、塩分を加えて摂らなければ身体バランスを崩します。また気温が高い日は、汗が出ることが多くなります。汗とともに排出された塩分を補わなければナトリウム不足になり、熱中症をはじめ様々な障害を起こしやすくなります。
減塩が過ぎると多くのリスクがあります。

難消化食物と強陰性食物を同時に摂らない

消化しにくいものと、強陰性のものを同時に多く摂ると、消化不良を起こすことがあります。強陰性食物を多く摂ると、胃の細胞が緩んでぜん動が低下し、消化液の分泌が減り、消化機能が低下します。条件が悪いと、食中毒を起こすことがあります。

例えば、バナナ、マンゴ、パイナップル、アボカド、ブドウなどを多量に食べ、同時に天ぷら、肉、魚などを多量に食べると、障害を発症することがあります。

夏季は食欲が落ちる

夏季は冬季より必要カロリーが少なくなります。寒い時には保温のため多くのカロリーを消費します。夏は保温する必要がないため、必要カロリーが少なくなります。そのため秋冬に比べて夏は食欲が落ちるのが普通です。

食欲がない時は、食事を摂るべきではありません。それを頭の欲求だけにしたがって食事を摂ると、栄養にならず老廃物になります。そういう状態で麺など粉食を摂ると、体内処理が円滑に進まず、さらに多くの老廃物を生みだします。

姿勢

食事をするときに姿勢が悪いと、消化不良の原因になります。姿勢が悪いと臓器の機能が低下し、精神状態がネガティブになり、病気になりやすくなり、老化のスピードが速くなります。